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2022.08.02

卵の食べ過ぎが原因ではない!?コレステロールが上がる本当の理由

この記事の監修者

栄養科学博士オーガスト・ハーゲスハイマー

「卵は1日1個まで!食べ過ぎるとコレステロールが上がる」と聞いたことがある人はいますか。
これって実は迷信。卵は悪いものではありません。実際に私は朝食で毎日、卵を2~3個食べています。

コレステロールを恐れて、卵を控えるのはもったいない!

なぜ「コレステロールが上がるから、卵は1日1個まで」と言われるようになったのか

1913年にロシアで行われた動物実験で、ウサギに卵を食べさせたところ、血中コレステロールが増加したという結果があります。ウサギのような草食動物は、植物に含まれている微量成分であるコレステロールを体内に蓄積しやすい仕組みですが、人間は動物性食品も食べる雑食動物なので、ウサギのように卵を食べたからと言ってコレステロールが体に蓄積されるわけではありません。この実験結果が今でもひとり歩きし、「卵はコレステロール値を上昇させる」というのが健康常識となってしまっているのです。

コレステロールが増える本当の原因

コレステロールが体内で急激に増えると、コレステロールが血管に詰まりやすくなり、動脈硬化や心筋梗塞のリスクが高まります。そのため「コレステロールが含まれる食品のとりすぎ=体内のコレステロールが増える」といわれてきました。
しかし最近では、この説に否定的な意見がほとんど。さらに最新の研究では、コレステロールは体内で傷ついた血管を守る絆創膏のような働きをしていることが分かっています。血管が炎症し傷つくと、修復するために肝臓でせっせとコレステロールが作られ血管へ送り込まれます。
つまり「コレステロールが含まれる食品のとりすぎ」ではなく、「血管が炎症を起こすような食品を食べた時」に体内でコレステロールが急激に増えるのです。血管を傷つける糖質の多い食事、トランス脂肪酸を含む質の悪い油、酸化した油を使用した食品が、病気を引き起こす犯人だったのです。

卵は生きていくために必要な栄養素を一度にとれる「完全食品」

卵には体に必要な栄養成分がほぼ完ぺきな形で含まれている

私たちが生きていくのに必要な栄養素は約44種類。卵は、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素をほぼ含んでいます。さらに私たちの体を作る上で最も重要な成分であるたんぱく質は、食品の中でも卵に含まれるものが最も良質とされています。

卵2個で、1日に必要な栄養成分がこれだけまかなえる

このように卵は、絶対的に必要な栄養成分を一度にとれる、ほぼ唯一の食品なのです。
■たんぱく質:約26%
■ビタミンD:約34%
■ビタミンA:約24%
■葉酸:約19%
■ビタミンB12:約39%
■ビタミンE:約15%
■ビタミンB2:約38%
■鉄:約18%
■脂質:約20%
■リン:約21%
■カルシウム:約8%
■亜鉛:約16%
■エネルギー:約8%
■マグネシウム:約4%

卵は積極的にとりたいスーパーフード!

「卵の食べすぎはコレステロールを上昇させる」というのは迷信、というのがこれまでの内容でお分かりいただけたかと思います。卵は良質なたんぱく質が豊富で、私たちの体を作る上で必要な栄養を「一度」にとれる唯一の食材です。手軽に手に入りやすくアレンジの幅も広げやすいので、ぜひ気軽に毎日の食事に取り入れてみてください。

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