2024.04.02

食事で肌は変えられる!美肌を作るために必要な栄養素とは

この記事の監修者

皮膚科・美容皮膚科医武田りわ

骨や歯を丈夫にしたり、筋肉を作ったり・・・健康を維持するためには栄養バランスの整った食事が欠かせません。
それは肌も同じ。
美容皮膚科では直接栄養素を取り入れるなど外からの治療もできますが、そもそも体の中の栄養素が足りないままだと根本的な改善にはならないのです。

やはり基本となるのは、毎日の食事。
何が必要なのか・何を控えるべきか、取り入れるものを変えるだけで肌の状態も変わっていきます。

肌トラブルを根本から解決!体に不足している栄養素をしっかり補う

体の中から肌トラブルを解決する治療法はさまざまありますが、今回は「オーソモレキュラー栄養療法(分子整合栄養医学)」についてご紹介します。
私たちの体には、本来「自然治癒能力」が備わっています。
このオーソモレキュラー栄養療法は、その機能を毎日の食事からとる栄養素によって最大限引き出し、体の不調や肌トラブルを根本解決に導く治療法です。
新たな医療の形として欧米からじわじわと広がりを見せ、日本でも注目を集めています。

オーソモレキュラー療法に基づいた理想の食事バランス

オーソモレキュラー学会の中で認められている理想の食事バランスによると、たんぱく質・野菜・全粒穀物を中心に毎日たくさんの種類の食材をとることが推奨されています。

中でも特に大切なのは、日本人に不足しがちなたんぱく質。
人体を構成する約60兆の細胞の材料で、さらにその細胞が働くために必要な酵素や、ホルモン、肌のハリを支えるコラーゲン、骨、筋肉、髪、爪など何もかもがたんぱく質からつくられています。
たんぱく質が足りない=体調不良や肌トラブルが起こるということも理解しやすいかと思います。

また、たんぱく質ばかりとっていればいいというわけではありません。
たんぱく質を材料に細胞やホルモンなどをつくるには、それを助けるビタミンやミネラルも必要です。
特に8種類のビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビオチン、葉酸、ビタミンB12)やビタミンC、ビタミンA、鉄分、亜鉛も美肌をつくる上で欠かせません。

肌本来の修復力を高める!理想的な食事イメージ

■野菜:全体の1/2
食事全体の半分程度の割合になるように、できるだけいろいろな種類の野菜をたっぷりとりましょう。
果物はできるだけ皮付きのまま、朝食でとるのがおすすめ。

■たんぱく質:全体の1/4
たんぱく質には植物性・動物性とありますが、豆などの植物性たんぱく質を多めにとるようにしましょう。
動物性たんぱく質は、飽和脂肪酸の多い肉よりも必須脂肪酸であるオメガ3を多く含む魚が理想ですが、いろいろな種類のアミノ酸を摂取できるように特定のたんぱく質に偏らないことがポイントです。
栄養満点の卵も積極的に取り入れてみてください。

■全粒穀物の主食:全体の1/4
主食には米なら玄米、パンなら全粒粉入りなど食物繊維が豊富にとれるものを選ぶようにしましょう。

これらのバランスにあわせて食事をすると栄養の偏りを避け、質的栄養不足のリスクも回避できます。

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